ミツノエンマコガネ
さてトラップ回収にやってまいりました。
先週末は天気が崩れるって予報だったのになんか全然でした。トラップは天気とにらめっこしながらタイミングを計るのに調子狂っちゃう。ま、雨ばかりよりは良いのだけれど。
まずは一つ目。この河原にはヒメコガネをたんまり食ったあとのようなキラキラした獣糞がそこかしこに落ちているのでトラップが荒らされていないか一抹の不安があったけれど、どうやら無事のよう。河川敷中腹の草地です。
雨養生で紙皿をかぶせてあります。その皿にハエが2匹とりついていたのを見てちゃんと発酵していると胸をなでおろします。数は埋めたので一発目から期待しすぎないように自分に言い聞かせます。
どれどれ・・・。半ば砂に埋まっていたペットボトルを取り上げてみました。
うっ!・・・、ぐあぁ・・・・!!
ドロドロになったイワシの溶けた液体。
中に蠢く黒くて巨大な物体たち・・・。
クロシデだあ!
他にもオレンジ色の紋をしたシデムシもゴソゴソ。
うわぁ・・・、まぁそこそこ予想していたけどキツイなぁ。
と、その中に黒くてコロンと丸い塊がチラッと見えました。
うおっ!!
いるやん、いるやん!!
おった、おった。
手にしたペットボトルの中ではもみくちゃにもつれあう怪しい虫たち。ペットボトルの口からは腐りきった魚のなんともいえない臭いを撒き散らしています。まずはこれをなんとかしないといけないので、水辺までもっていきましたが、おそらく狙いの虫であろう発見をしたので気分は軽いです。きっと一人でニヤついていたかもしれません。 ドロドロの液体を川に流し、ペットボトルを逆さにして中の虫たちを白い皿の上に落としていきました。
クロシデムシ3、ヤマトモンシデムシ4、オオヒラタシデムシ1(死骸)
全身ダニだらけのシデムシたちをよけて取り出した狙いの虫は ミツノエンマコガネ
Onthophagus toricornis (Wiedemann,1823)
でっかいなぁ!
これでエンマコガネとは! いい感じの大きさです。
チョコンと立った2本の角もカッコいい!
ここ2~3年の間、気にしていた虫です。
なかなかチャンスがなかったけれど強引にチャレンジして良かったぁ。
なあんだ、もしかして今日はタコ採れ?
調子にのって2つ目のトラップを見に行きました。それは土手近くの潅木の木陰。
・・・・・・しかしこちらはオオヒラタシデムシがタコ採れ。
ええい次!
3つ目。こちらは川べり。
おやぁ??
前の2つと違ってイワシの溶けたドロドロな液体がありません。中はきれいなもの。
虫の1匹もいなくてはいっていたのはこんなもの。
綺麗に食べられちゃいました。
どうやら設置するときにペットボトルを寝かせすぎたようで、入った虫たちはその出口から皆脱出してしまったようでした。
さてポイントを変えて移動です。下流に向かって車を走らせます。
次は河川敷にある運動場を超えた先の河原。なんかそこへたどり着くまでの道が予想外にぬかるんでいたのに気づきました。う~ん?
ありゃ! 砂州へでる前に先週無かった流れがありました。広い砂の河原だったのに・・・。
とりあえず、すぐ脇にセットしたトラップをチェックします。
・・・・ウジの山。コオロギの残骸も少々。
さて・・・、ここにセットしたのはもう一つ。しかし思いもかけない川の流れに阻まれてしまいました。 やっぱり降ったんだなあ。一度車に戻って長靴に履き替えてきました。
ジャブジャブと瀬を渡りながらトラップを探します。
しかし・・・・、あれぇ~?
見つかりません。一度大量に増水したみたいで川岸の様子が変わってしまったようです。目印も流されてしまったようです。ああ、これは・・・。
めぼしい辺りを何度も往復して探しましたが流されたのか、砂に埋もれたのか。
これは残念ですが断念しました。やっぱり川はいつも同じではないですね。
おかしいなあ、追加とれないなあ・・・。
さて残るポイントは海岸です。ホントはそこが大本命のつもりでした。だってミツノエンマって海浜性のイメージですから。
ただ、前回来た時のカニの姿が気になって不安です。栄養は一番ありそうだし、打ち上げられた魚も多そうなので良いかと思いましたが、カニという強大な捕食者たちが君臨していることを考えるとむしろキビシイのかも。
海岸にたどり着くとまたまた強い海風にあてられました。
まずはまっ平らな広い砂地に草がそこそこ生えているあたり。
・・・・・ウジの山。
うん、ま、こんなもんや。
次は腰丈ほどの小さな潅木の下。
・・・・・あれ!?
トラップごと無くなってます。誰だ持ってったの!
次、少々まとまった潅木林の下。
!! うわっ!!なんだお前!!
雨養生のため掛けておいたシートをめくったら巨大なカニが両手を挙げて威嚇してきました。
邪魔しないであっちいってくれよ。
・・・・やっとのことで取り上げたペットボトルの中はやはりウジの山。ハサミムシやコオロギの残骸も少々。
う~ん・・・。
さ、残り3つ。
それは河口の川岸ですぐ脇に水の迫った葦原です。
そして一番カニ密度の高いところ。カニの穴がそこらじゅうに開いてます。 ほら、やっぱり入ってた。
あと2つ。次!
・・・・・・ウジの山。
ラストーっ!!
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・カニが13匹も入ってた。グスン・・・。
カニがいたらダメだな。ミツノエンマが入ったってバラバラにされちゃうし。
そんなこんなで今日の収穫はミツノエンマコガネ1ex.でした。
これってもしかして、回収の順序を逆にしたら劇的感動物語になったんじゃ?
まあ、いいか。
感じたのは
ペットボトル1本にイワシ1匹を入れてセットしたけど、3日も置いたらだめですね。ほとんど食い尽くされて液体になってます。一晩? いや二晩くらいがちょうどいいのかな。
あと、カニ。
カニはダメだ・・・・。
う~ん、もうちょっと追加ほしかったけど、今期はこれでおしまいかな。
来年もチャンスがあったらやってみよう。
さあ、明日から伊勢志摩出張です。
先週末は天気が崩れるって予報だったのになんか全然でした。トラップは天気とにらめっこしながらタイミングを計るのに調子狂っちゃう。ま、雨ばかりよりは良いのだけれど。
雨養生で紙皿をかぶせてあります。その皿にハエが2匹とりついていたのを見てちゃんと発酵していると胸をなでおろします。数は埋めたので一発目から期待しすぎないように自分に言い聞かせます。
どれどれ・・・。半ば砂に埋まっていたペットボトルを取り上げてみました。
うっ!・・・、ぐあぁ・・・・!!
ドロドロになったイワシの溶けた液体。
中に蠢く黒くて巨大な物体たち・・・。
クロシデだあ!
他にもオレンジ色の紋をしたシデムシもゴソゴソ。
うわぁ・・・、まぁそこそこ予想していたけどキツイなぁ。
と、その中に黒くてコロンと丸い塊がチラッと見えました。
うおっ!!
いるやん、いるやん!!
おった、おった。
手にしたペットボトルの中ではもみくちゃにもつれあう怪しい虫たち。ペットボトルの口からは腐りきった魚のなんともいえない臭いを撒き散らしています。まずはこれをなんとかしないといけないので、水辺までもっていきましたが、おそらく狙いの虫であろう発見をしたので気分は軽いです。きっと一人でニヤついていたかもしれません。
クロシデムシ3、ヤマトモンシデムシ4、オオヒラタシデムシ1(死骸)
全身ダニだらけのシデムシたちをよけて取り出した狙いの虫は
Onthophagus toricornis (Wiedemann,1823)
でっかいなぁ!
これでエンマコガネとは! いい感じの大きさです。
チョコンと立った2本の角もカッコいい!
ここ2~3年の間、気にしていた虫です。
なかなかチャンスがなかったけれど強引にチャレンジして良かったぁ。
なあんだ、もしかして今日はタコ採れ?
調子にのって2つ目のトラップを見に行きました。それは土手近くの潅木の木陰。
・・・・・・しかしこちらはオオヒラタシデムシがタコ採れ。
ええい次!
3つ目。こちらは川べり。
おやぁ??
前の2つと違ってイワシの溶けたドロドロな液体がありません。中はきれいなもの。
虫の1匹もいなくてはいっていたのはこんなもの。
綺麗に食べられちゃいました。
どうやら設置するときにペットボトルを寝かせすぎたようで、入った虫たちはその出口から皆脱出してしまったようでした。
さてポイントを変えて移動です。下流に向かって車を走らせます。
次は河川敷にある運動場を超えた先の河原。なんかそこへたどり着くまでの道が予想外にぬかるんでいたのに気づきました。う~ん?
ありゃ! 砂州へでる前に先週無かった流れがありました。広い砂の河原だったのに・・・。
とりあえず、すぐ脇にセットしたトラップをチェックします。
・・・・ウジの山。コオロギの残骸も少々。
さて・・・、ここにセットしたのはもう一つ。しかし思いもかけない川の流れに阻まれてしまいました。
ジャブジャブと瀬を渡りながらトラップを探します。
しかし・・・・、あれぇ~?
見つかりません。一度大量に増水したみたいで川岸の様子が変わってしまったようです。目印も流されてしまったようです。ああ、これは・・・。
めぼしい辺りを何度も往復して探しましたが流されたのか、砂に埋もれたのか。
これは残念ですが断念しました。やっぱり川はいつも同じではないですね。
おかしいなあ、追加とれないなあ・・・。
さて残るポイントは海岸です。ホントはそこが大本命のつもりでした。だってミツノエンマって海浜性のイメージですから。
ただ、前回来た時のカニの姿が気になって不安です。栄養は一番ありそうだし、打ち上げられた魚も多そうなので良いかと思いましたが、カニという強大な捕食者たちが君臨していることを考えるとむしろキビシイのかも。
海岸にたどり着くとまたまた強い海風にあてられました。
まずはまっ平らな広い砂地に草がそこそこ生えているあたり。
・・・・・ウジの山。
うん、ま、こんなもんや。
次は腰丈ほどの小さな潅木の下。
・・・・・あれ!?
トラップごと無くなってます。誰だ持ってったの!
次、少々まとまった潅木林の下。
!!
雨養生のため掛けておいたシートをめくったら巨大なカニが両手を挙げて威嚇してきました。
・・・・やっとのことで取り上げたペットボトルの中はやはりウジの山。ハサミムシやコオロギの残骸も少々。
う~ん・・・。
さ、残り3つ。
そして一番カニ密度の高いところ。カニの穴がそこらじゅうに開いてます。
あと2つ。次!
・・・・・・ウジの山。
ラストーっ!!
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・カニが13匹も入ってた。グスン・・・。
カニがいたらダメだな。ミツノエンマが入ったってバラバラにされちゃうし。
そんなこんなで今日の収穫はミツノエンマコガネ1ex.でした。
これってもしかして、回収の順序を逆にしたら劇的感動物語になったんじゃ?
まあ、いいか。
感じたのは
ペットボトル1本にイワシ1匹を入れてセットしたけど、3日も置いたらだめですね。ほとんど食い尽くされて液体になってます。一晩? いや二晩くらいがちょうどいいのかな。
あと、カニ。
カニはダメだ・・・・。
う~ん、もうちょっと追加ほしかったけど、今期はこれでおしまいかな。
来年もチャンスがあったらやってみよう。
さあ、明日から伊勢志摩出張です。
by aile21
| 2012-09-10 23:12
| 東海編
京都南部の野山で宇治虫親子が発見した生き物の記録 出演 とうちゃん(aile21)・かあちゃん・ちび宇治虫(showzine)
by aile21
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