マキノ・山が萌えている

 5月6日

 ここ数年GWには鈴鹿の山にハイキングに行ってきましたが、今年は少し目先を変えて湖北のマキノに行ってきました。
 朝の湖西道路はガラガラに空いていて車はスイスイ進みます。しかも以前は志賀までだったバイパスも鵜川まで延伸していてより便利になっていました。新緑に彩られた比良山麓を横目に走っていると宇治ではほぼ終わっているウワミズザクラの白い花が満開です。これは良いとワクワクしながらやがて2時間弱でマキノスキー場に到着。目的は赤坂山稜線ですが、さて・・・どういうルートにしようか。スキー場から直登で山頂を目指すか、遠回りして林道経由で縦走してくるか・・・。駐車場のあたりを見回してもウワミズザクラが満開です。そこを素通りして森にはいってしまうのももったいないかと林道で花を掬いながら進むことにしました。
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 目指す山稜を横目に歩き始めました。
歩き始めてすぐに花で寄り道してしまうので先々のコースタイムが読めなくなりそうな不安もありました。しかし久しぶりに出会うカミキリたちに嬉しくなりながらプラプラ進んで行きました。今年はすでに諦めていたカエデの花掬いですが、マキノではウワミズザクラと同時に咲いているのでお得です。ピックやヒナルリ、他にも初採集と思われるピドニアが網に入ります。
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それにしても暑い。薄手のフリースを着ていましたがもう汗びっしょり。標高が上がれば涼しいだろうと我慢して進みました。ここは黒河内林道。随分前にコブ叩きにチャレンジしようと家族で来たことがありました。その時は峠近くまで車で行き、マヤサンを必死に探しながら寒風の中林道を登った記憶があります。全然採れず面白くなかったけれど最後にやっと一つ見つけた時は嬉しかったなあ・・・。その時と比べるとやはり新緑はいい。
カエデも里山で目にするものでなく葉っぱの大きなハウチワカエデばかりです。最近このカエデがお気に入り。
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目の前に立ちふさがる黄緑色の壁のような新緑に圧倒されながら「山が萌えてるぅ・・・・、山が燃えると歌ったのは石川さゆり・・・・。」などとつぶやいたりしながら歩いていました。
ハレーションを起こしたように黄緑色に染まっていた世界も少しずつ穏やかに落ち着いてきました。標高が上がるにつれ春の始まりの頃のピンクがかった新芽の色が増えてきました。そうなると掬える花もあまり見当たらなくなりやがて黒河峠に着きました。ここからは登山道です。足元の林床にはイワウチワが所狭しと満開です。
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さてそろそろ花掬いよりも登りに専念しましょうか。日当たりの良い斜面をトラバースするように稜線に向かって歩いて行きます。芽吹き始めの森なので木陰もなく汗びっしょりです。しかし勾配は緩やかなので気持ちよく歩けます。
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 歩いていると乾いた登山道の脇にキラッ☆と光るものに気がつきました。
んんん~~~? おお、もしかして・・・・
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やった!! やった。 やった・・・・・。
コルリクワガタやぁ!!! 初めてなんだよおぉ・・・・。

ずいぶん前から採りたかった虫なんだけど、ポイントもわからん、採り方も要領がわからん。産卵マークの付いた材も見つけられん。ブナの新芽に来るって言われたって新芽なんて腐るほどあるよおぉ・・・。とこの時期にはいつも悔しい思いをしていました。今日だって「もしかしたら」と期待がなかったわけではありませんが、まさかホントに出会えるとは。しかし道端で拾ったというのも実感湧かないものです。すぐさま辺りを見回して林床に落ち枝を探してみました。まだ材に居残っているのがいるかも・・・なんて妄想しながら。しかし見つかるのはどれも乾いて硬いものばかり。産卵マークも見つかりません。
花掬いで時間をロスしたので稜線までは歩きに集中しようと決意したばかりなのに再びコースタイムから大きく時間をロスし始めたのは言うまでもありません。でもだめだ。時間ばかり無駄にしてしまう。ま、とりあえず一つでいいか、と自分をなだめてまた歩きだしました。やがて辺りの木々も背丈が低くなってきました。ふと、開き始めたミズナラの新芽に目をやると、小さな虫がいくつも飛び交っているのに気がつきました。多くが小さなハチやハエのようですが、時々ゴミムシくらいの黒い虫が飛んでいるようです。あれかな?
と掬ってみるとドンピシャ。いたいたぁ!ようやく狙いの状況でコルリを手中に收めることができたのです。そのミズナラは虫達に人気なようでコルリも3つ4つは飛んでいました。観察していると新芽に下りたち穂先をウロウロしている姿も見ることができました。なんとかその姿を写真に収めたかったけれどなかなかピントが合わず失敗でした。
それにしてもハエのように飛び交っているではないですか。今まで採れなかったのはただなんだったんだろう。いろいろとネットなどで調べてもイメージばかりで実感が湧かず、モヤモヤしていましたが、たった一度の体験で「こういう事だったんだなあぁ」と一気にモヤが取れたような興奮を覚えたのでした。あと一つ追加採集して機嫌良く山歩きに戻ったのでした。この辺りからイワウチワばかりだった足元にカタクリの花が交じるようになりました。
やがて三国山への分岐点がありました。道標には400mと書いてあるしせっかくだからと行ってみることにしましたがこれが失敗。最後の直登がキツイ。なんでこんなに段差のキツイ階段つけたんだよ・・・。山頂に登ってみれば背丈ほどの木々に囲まれて眺望もきかないし・・・。ここで12時半。休憩と昼食を済ませ、リュックを下ろしたついでにフリースも脱ぎました。Tシャツ一枚でも全然寒くありません。

 元の道に戻り、山腹を縫うように進みました。とあるコーナーをまわると眼前にそびえる岩肌。
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崩落地「明王ノ禿」です。ここに登ればやっと稜線です。
汗びっしょり、体は火照っていますが吹き上げる風がすこぶる気持ちよいです。眼下には絨毯を広げたように新緑が広がり、春霞の向こうには琵琶湖も見えます。
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 行く手になだらかな山容を眺めながら次に目指すは赤坂山。明王ノ禿からはほどなく到着。多くのハイカーが休んでいました。私が長網を持って現れると一気に視線を浴びてしまいました。おばあちゃんが一人「あらあらあら。」と人懐こく話しかけてきて質問攻めにあってしまったので少々虫談義をしてしまいました。
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ここまで雲ひとつ無い快晴でしたがうっすらと雲が掛かり始めました。あとは眼下のスキー場へ下りるだけ。菓子パンを一つ口に放り込むと山を下りたのでした。
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下り道は先ほどのイワウチワとは変わってイワカガミが林床を埋めていました。どちらもピンク色の可愛い花です。
なんだか陽が傾いてきたし、薄雲も広がってきたのでグングンと山をおり、あっという間にスキー場まで帰ってきました。
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当初は早めに下山できたらもう一度麓で花掬いでもしようかと企んでいましたが十分疲れていたのと、スキー場内のウワミズザクラを掬ってみても大量のハチしか網に入らなかったので今日はここでおしまい。温泉に入って帰ろうかと逡巡しましたが、連休最終日。渋滞が怖いので車に乗り込み京都に向かったのでした。
(全く渋滞してなかったけど。笑)

5月の山はいいですねぇ。充実した一日でした。それもこれもコルリちゃんのおかげですよ。
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by aile21 | 2013-05-10 00:54 | とうちゃん


京都南部の野山で宇治虫親子が発見した生き物の記録  出演 とうちゃん(aile21)・かあちゃん・ちび宇治虫(showzine)


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