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冬の入り口

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 宇治近辺ではやっとカエデが色づいてきました。
しかし桜やケヤキはすでに茶色く、同時一斉の紅葉とはいかないようです。

バランス悪いったらありゃしない。

11/24 宇治田原町

 前回、ニッコウエンマを採集した犬糞の様子を見てきました。さすがに糞そのものは消滅していましたが、その跡地には地面にいくつもの穴が見てとれました。あれだけたくさんのミドリセンチとタダセンチがいたので彼らはどうしているのか?
気になって掘り起こしてみたのでした。
すると土中には多くのタダセンチが潜んでいました。あわよくば丸めた糞塊でもないかと彼らの掘った坑道を眺めてみたのですがそれらしいものは見つけられず。土中のタダセンチはほとんど動かず、木の棒でつついたり転がしたりしてみても反応がありません。この時期の成虫はもうこのまま越冬態勢というところでしょうか。
寒さが本格化するとミドリセンチは突然姿を消します。タダセンチは初冬や早春でも目にしますがミドリセンチはタダセンチより遅れて発生し、秋のうちに姿を消すというのが不思議なところ。それにミドリセンチでは糞をちぎりとって離れた巣穴まで運搬しているのをよく目にしますが、タダセンチは糞や獣の死体の下に潜りこんでばかりで糞の運搬している場面を見たことがありません。色彩以外さほど大きな違いが無いように見える両者でも生態にはやはりそこそこの違いがあるようです。

 ニッコウエンマも2つほど見つかったくらいですっかり姿を消していました。まあ、寒くなってきたらこんなもんか・・・と思いつつほぐした坑道の土をほじくっていました。すると黄色く光沢のある粒が目に留まりました。
おおっとマグソコガネだ。

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ネグロマグソコガネ
Aphodius pallidiligonis Waterhouse,1875

一瞬、タダマグソかとため息をつきそうになりましたがエリトラの黄色い模様が見たことない感じです。

なによりこんなに小さかったかな?(約4mm)
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これはきっと自己初だなと期待して持ち帰ってみたらネグロマグソコガネでした。

「晩秋から早春にかけて多く見られる」そうです。
いわゆる冬物マグソでしょうか。

前回多くみられたミドリセンチが姿を消してネグロマグソが現れたということはとうとう季節も冬へ移行しつつあるようです。

とうとう冬か。


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 強風の中、枯れかかったクズの葉上でじっとひなたぼっこをしていたカマキリ。
ツマグロオオヨコバイが目の前に留まっても気にならない様子。
さしせまる冬を前に食欲どころではないといった感じでした。
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by aile21 | 2011-11-27 01:58 | とうちゃん

遥かなる日光

 小学校の修学旅行は日光でした。中禅寺湖、戦場ヶ原、湯ノ湖・・・、錦秋まっただ中、透き通った空気に包まれての旅行は今でも良い思い出として残っています。家族旅行でもよく行ったなぁ・・・・。

 前回通りがけに見つけた犬糞ではミドリセンチとタダセンチを観察したのちに落ちていた小枝で糞の解体をしていたのでした。(・・・やっぱり)
すると小さくて真っ黒なエンマコガネがポロポロとこぼれ落ちて出てきました。こういう状況はよくあることで、たいていの場合はクロマルエンマコガネです。たまにコブマルエンマが混じるくらいです。
しかし今回はどれも小さめなのが少々気になりました。前胸には顕著な特徴が見られません。
クロマルのメス・・・?

いや、よ〜〜〜く見ると前胸の前部がかすかに盛り上がっているように見えます。
コブマル・・・のメス???

あまりに特徴の感じられないエンマコガネだったけれど、どうも納得できないモヤモヤが残るので幾つか摘んで持ち帰っていたのでした。
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ニッコウコエンマコガネ
 調べてみれば前脛節の形でコエンマコガネ属Caccobiusなのはすぐわかりました。この仲間はマエカドコエンマしか持っていないので自己初の虫には違いありません。しかしどうも同定に納得いきませんでした。
前胸の眼状点刻といい、頭部の横隆起といい、ニッコウコエンマコガネしか特徴の合うのが無いのに「日本産コガネムシ上科図説」には顕著な赤褐色紋が写真でも解説でも表記されていて困りました。10個体以上持ち帰っているのにどれも真っ黒だったからです。個体変異で真っ黒なのが幾つか混じっているなら納得もいくのですが、どうもこれは・・・?
顕微鏡でじっくりと鞘翅を観察もしました。紋の痕跡みたいなものは無いのか?
「う〜ん、よくよくこの翅端を凝視していると、・・・なんとなく褐色に見えるような気も・・・いややっぱり気のせいか?」
「もしかしたら亜硫酸ガスで絞めたら発色が上がって見えてくるかも?」と考え、半分を酢エチ、半分を亜硫酸で絞めてみました。結果はやっぱり真っ黒でした。脚が微かに赤くなるくらい。

 ホントにニッコウなのかなぁ???と悩んでいましたがネット検索で調べてみると鈍い黒色で殆ど紋の見られない個体の写真ばかりが見つかりました。図説では紋付きですが、一般的には紋なしの方が多いのかな。そうなんだろうな。きっとそうだ。と自分に言い聞かせて同定決定。

 そもそも「ニッコウ」というのがどうにも違和感を感じます。自分にとって日光はずいぶん遠い存在になっているのを実感したのでした。調べると四国・九州・対馬にまで分布しているらしい。全然日光じゃないやん。
・・・でもなぁ、「アイヌなんとか」や「ヤマトほにゃらら」もあるし気にしないでおこ。そういうのに引っかかっちゃうようではダメですね。

それにしても地味なエンマコガネでした。

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 天ケ瀬ダム沿いではナンキンハゼが朝日を浴びて輝いていました。
しかし山の景色はまだ鈍いです。カエデなんかまだ緑だし。

今年の紅葉はハズレっぽい。
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by aile21 | 2011-11-18 00:45 | とうちゃん

緑と目玉

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 今日は仕事で宇治田原へ。
道中、キラッと光るものに目が留ったので見てみるとミドリセンチが道路を横切っていました。
まだ活動しているんだ・・・。
道路脇のガードレール下には犬糞があってたくさんのミドリセンチとタダセンチが蠢いていました。
わりと遅くまで頑張っているようです。今年はなかなか寒くならないのも原因かな。
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 夜になると灯りにやってきたウスタビガ。
眼状紋がどうなっているのか、きちんと観察したことがなかったので手づかみで捕まえてみました。
うす〜い透明な膜が張ってあるのですね。不思議・・・。
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by aile21 | 2011-11-14 23:27 | とうちゃん

犬の落とし物

 久しぶりに奮起して糞虫採集に行ってきました。夏日間際という日差しのきびしい一日でした。
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 それにしても初めて訪れた町の河原で『犬糞』を探すというのはどうなんだろう?
そんな心配の通り、犬糞をわざわざ探すというのは骨の折れるものでした。現代は飼い主のマナーが向上したせいかそこかしこに転がっているということはありません。むしろ飼い犬の落とし物をそのまま放置しようものなら通行人から注意されてしまうのでしょう。

自分が犬の散歩をするならどういう動線で河川敷を歩くかイメージしながら歩きます。(犬を飼ったことはありませんが。)

 まずはとある橋の袂から右岸沿いに歩きました。土手の最上部は桜並木になっています。その足元は紅葉の始まった桜の落ち葉が降り積もり始めていて探し物も見つかりにくい状態でした。
日曜日に犬を遊ばせるならともかく、日常のノルマとしての散歩なら人の歩きやすい土手上を選ぶのが飼い主の心理ではないかと考えました。しかし、全然見当たりません。どこもきれいに整備され、色とりどり様々な花なんかも植えられていたりしてなんとも奇麗な道でした。それでもやっと一つの犬糞を見つけたので喜び勇んでほじくってみましたが、姿を現したのはダンゴムシとハサミムシだけでした。
「これはやっちゃったかな・・・」ここまで京都からはるばるやってきたのに。

 橋を2つ越え、3つ目で折り返すことにしました。対岸に渡ると今度は土手下の芝地を探しながら歩くことにしました。すでに日は傾いていました。
ところが土手を下りてすぐにこんもりとした犬糞を見つけたのです。表面はすでに乾いていましたが昨日までの雨のせいか地面は濡れています。この大きさなら中はまだ・・・。ピンセットでコロンとひっくり返してみました。
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 おうっ!!

いたいた。一目でターゲットとわかる斑紋つきの鞘翅が糞の中にうずくまっていたのでした。
とりあえず遠路はるばるやってきた甲斐があるというものです。この犬糞からはさらに1個体が見つかりました。おまけでコブマルエンマとタダマグソ。
もう少し追加が欲しいと先へ進みましたが、またまた犬糞に遭遇することがなくなりました。犬が糞をするところってどんなところでしょう。それに飼い主が犬の排泄を見て見ぬ振りをするようなところがいいのでしょうね。
その後やっと見つけた糞で追加個体を一つ見つけました。そこそこの大きさの糞があれば入っている確率は高いようでした。(しかし最後の個体は自分のミスで逃げられてしまいましたが)
犬糞の下にはいかにもなトンネルが垂直に掘られていてその先にも潜んでいそうなオーラを感じます。しかしピンセットしか持っていかなかったのが失敗でした。ピンセットでは上手く掘り起こせません。掘っては崩れて、また掘っては崩れての繰り返し。移植ゴテでも持って来るべきでした。しかし一旦萎えた気持ちがやっと安堵した後だったので十分です。

 犬糞は下草が少し剥げていて土の地面がちらほらと露出しているところに多く見られました。それは犬の習性なのか、ただ単に下草が少ないから見つけやすかっただけなのか?それでも糞のまわりは犬が掻きならしたような跡も見られたので今後は犬糞を探す手がかりは掴めたかもしれませんね。そんな採集はそうそう無いと思いますが。

 夕日に染まり始めた土手沿いを歩いていると犬の散歩をしている人にすれ違います。その手には柄杓が。私の目の前で運良く(?)その柴犬が糞をしはじめました。飼い主はその下に柄杓をそっと差し出し、地面に落とすことなく見事にキャッチ。

私は、「ああ・・・、それじゃダメなんだよなぁ・・・」と心の中でつぶやいたのでした。
それでも久しぶりの採集は楽しかったです。こういう時は苦行のような採集ではなくて初物でストレス発散するのが一番です。もう少しで苦行になりそうだったけど。
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ミツコブエンマコガネ
うん、なかなか良い虫です。


おまけ

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 10月は出張で数回、浜松に赴いていました。遊んでいる余裕はなかったのですが仕事前に中田島砂丘に行ってみたりしました。流木をひっくり返してもハサミムシばっかり。やっと甲虫が見られたとスナゴミムシダマシを摘んではみましたが、すぐに我に返りそっと戻してあげたのでした。夏ならカワラハンミョウでも見られたかもしれないと思い、「今日は下見だから」と自分にいいきかせたりしたのです。出張最終日は早く切り上げられるかもしれないと勝手に思い込んでいました。それなら帰りに某所に寄り道でもして糞虫採集でもと画策していたのですが、所詮客商売。思うようにはいかないのもいつものこと。「また虫採りできなかった・・・」と気落ちしながら京都に帰ったのでした。それがホントに悔しかったので今日のミツコブ強行軍とあいなりました。
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by aile21 | 2011-11-02 00:16 | とうちゃん


京都南部の野山で宇治虫親子が発見した生き物の記録  出演 とうちゃん(aile21)・かあちゃん・ちび宇治虫(showzine)


by aile21

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