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フェモラータの体色変化

 3月に採集してきたフェモラータオオモモブトハムシの幼虫がぼちぼち羽化してきました。他の虫屋さんではすでに羽化のピークは過ぎているようですが我が家ではこれからのようです。それは材箱の保管場所を冷涼な玄関内にした事が大きな要因かと思います。
実は1週間ほど前に羽化第1号がいたのですが蛹の段階でいじくりすぎて羽化不良を起こして息絶えてしまいました。それはもうおぞましい姿に変わり果て悲しくなりました。そのため観察をやり直したのでした。

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 鮮やかなメタリックピンクのフェモラータですが蛹から成虫になる過程でどのようにあの色彩が発現するのか興味が湧きました。繭を解体して蛹を取り出しその様子を経過観察していきます。

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 淡黄色の蛹はやがて脚や頭部の末端からうっすらと赤褐色に色づいていきます。また腹部や鞘翅は半透明なものが光沢を帯びていきラメ調の緑色がかすかに見え始めます。関節は特に変化がはやくみるみるうちに黒くなってきました。時間経過とともに発色は広がっていき伸びた腹部を残してほぼ全体が濃く鮮やかな緑色に染まったのでした。後半では頻繁に脚がモゾモゾと動き出します。ほぼ羽化は終わっているように見えます。この過程でふと疑問に思いましたが、蛹から羽化する時に一枚皮を脱いで採集的な形態変化をすると思っていたのです。しかし幼虫・前蛹から蛹に変化する時のような目につく脱ぎ跡が見当たりません。まるで姿形を変えずにいつのまにか成虫になっていたような印象です。
「蛹ってそんなものだったかな・・・」
そんな腑に落ちない感を抱きながら観察していたのですが、やはり一枚脱いでいた事がわかりました。それは極薄い膜です。一見、ゴミか排泄物のように見えますが腹部末端におしやりクチャクチャに押し畳まれるのでわかりづらかったです。また繭の中での羽化は余分な水分を排泄しているのか底の方にドロリとした液体が溜まっています。この水分に浸かるとさらに排泄物様に見えるのでした。(下段中央の蛹では後肢に絡み付いているのがわかります)
羽化不良を起こした個体はこの薄皮を脱げきれずに息絶えました。もしかしたらこの皮をスムーズに脱ぐにはそこそこの水分あるいは湿度が必要なのかもしれません。観察用に繭から摘出した蛹でも無事羽化したものがいるので妥当かどうかはわかりません。

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 全身が緑色に染まると活動も活発になりほぼ羽化完了です。まだ腹部の膨らみが縮みきっていませんが。しかし実はこの状態、本来まだ繭の中なのです。当初この状態を目にした時には「フェモラータも個体ごとに体色変異があるのか」と感じましたがそれは間違いだったようです。ここから更に劇的変化を遂げていくのでした。
ちなみにこの個体はこの状態で絞めました。野外で採集をしていると時々テネラル(羽化直後)の虫を目にします。大概の場合、色づきが甘く褐色あるいは飴色だったりします。それを絞めて標本にするとその状態のまま残ります。今回の緑色が絞めたあとでも残るのかどうか気になったのです。本来なら同じ個体を通して観察していくべきでしょう。しかし材箱の中の繭を6〜7個開封して調べてみましたがすでに皆赤くなっていました。全ての繭を開封するのは諦めて経過観察は同時に見ていた別の摘出個体で続ける事にしました。

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 鮮やかな緑色だった体色はやがて青黒く沈んだ色調になっていきます。黄色味が抜けて青紫になるとやがて鞘翅の縁から赤味が発現してきます。その状態では遠目に見るとかなり黒ずんだ姿にみえるのでした。やがてジワジワと赤味が広がっていき全体を覆っていきます。最終的には緑から青への過程が嘘のように発色の良いピンク色に染まるのでした。また光の角度によっては蛍光色の黄色のような反射をするようにもなりました。
繭から自力で這い出してくる成虫達はみなこの赤い状態になってから出てくるようです。採集時に繭を傷付けたりして脱出しやすくなるとまだ緑色の残った状態でも出てきてしまうことがあるようですが。

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 こうしてフェモラータオオモモブトハムシの羽化が完了です。(この後、活動していくためにあるいは生殖機能を成熟させるために後食が必要なのかどうかはわかりません。)

それにしてもなんとも目の覚めるような色彩です。きらびやかな発色をなんとか写したいと蛍光灯の間近まで近づけて撮影してみたら、反射が激しいせいかハレーションをおこしてしまいなんだか嘘臭い程の発色になってしまいました。ピントも合いにくいです。しかし貫禄十分、満足しました。

 分布拡大が危惧される外来昆虫ですが、ハムシにしては大きいもので20mmに達するほどの大きさと誰もが目を見張る美しさを持ち合わせるフェモラータは観察にはうってつけでした。
しかしまたこういう記事が『フェモラータ礼讃』を煽るものではない事だけ付け加えておきたいと思います。少し不安ですが。
おそらく材箱からは30頭くらい出るのではないかと思いますが、気を抜かず残材は自ら焼却処分するのを忘れないようにしたいと思います。

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彼らのお気に入りのポーズ。この姿であちこちに静止しているとなにやら滑稽で和みます。
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by aile21 | 2011-06-11 11:31 | とうちゃん

遺跡の住人・生存者

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 コガタスズメバチの巣を開いてみました。

巣に居残っていたハチが見当たらないので中に潜んでいるようです。ソーッと持ち上げ、あちこちに空いた穴から中の様子を伺うと、やがてノソノソと這い出てきました。
分解作業の邪魔になるので小瓶に移して作業開始。

巣を持ち帰った衣装ケースの蓋を空けた途端に漂う腐敗臭。
中の様子に不安を抱きながらパリパリと脆く崩れやすい外殻をハサミで切りながら取り除いていきました。すると中には育房室の並んだ房が4段ありました。

なかなかかっこいい。


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 外から覗いたかぎりでは空っぽの育房ばかりが見えていました。しかし再下段にはまだ数匹の幼虫がジッとその身を潜めていたのでした。
明るく白っぽい幼虫はゆっくりと動きます。
それより少しくすんだ幼虫は生きてるのか死んでるのか?
そして真っ黒に変色したのは死んでいるようです。

この黒い死骸、中には腐敗が進んで溶け出しているものもあります。育房から抜け落ちて外殻の内側に落ちて溶けているのもありました。これが猛烈に臭い。

4段目だけに生存者が残っているのは、営巣の順序を考えると最下層がシーズン終盤に産卵されたものだと容易に理解出来ます。

他に蠢くものはいないのかとあちこち覗きますが遺跡の中は静かなものでした。
巣の底には黄色い花粉のようなものが落ちています。幼虫の糞など排泄物もあるのかもしれません。そんな堆積物あたりなんか面白いかと思いましたが甘かったかな。

やがて大きな段の裏に成虫の姿を見つけました。すぐに死骸とわかりましたがもう1匹残っていたのですね。油断していたので一瞬キモを冷やしました。
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 上段は巣の外殻にしがみついて死んでいたハチ。

下段は内部で見つけたハチの死骸。
こちらは前者より一回り大きいです。腹部の様子(第2節あたり)を見ても明らかに違います。

もしかして女王かもしれないと思いました。ネットでコガタスズメバチの女王を検索してみましたが働き蜂(ワーカー)との相違をわかりやすく説明してあるものに出会えなかったので確信もてませんが。
この巣の主だった女王が我が家で寿命を全うしてのでしょうか。あるいは新女王が越冬態勢に入れないまましんでしまったのか。
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 そして先に移した唯一生き残った成虫。

一人でこの荒れ果てた巣を守っていたのでしょうか。巣に残された幼虫たちのために餌を運んでいたのでしょうか。

調べてみるとスズメバチは新女王以外は越冬できないようです。この働き蜂も最後に残った幼虫たちもやがて来る寒さと飢えのため死んでしまう運命なようです。

なんだかせつないですね。

 この巣はこのまま保管して幼虫たちの最後を確認してみようと思います。死んでしまうなら仕方がありません。餌をくれる成虫もいないのではこれ以上成長できないでしょうけれど。
ホントにただの遺跡になりそうだけど、まあいいか。

居候を探すにはシーズン中がいいのかなぁ・・・。
そんなこと怖くてできませんよ。














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by aile21 | 2010-12-20 00:01 | とうちゃん

遺跡の住人

 大阪からの帰り、1号線を走りながら考えてました。

 先日持ち帰ってきたコガタスズメバチの巣。ほどなく1匹のスズメバチが出てきて衣装ケースの中をうろついたり、また中へ入って姿を消したり、またあるときは巣の外壁にジッと張り付いたまま動かなかったりしています。

昨日、ふと見るとケース内の壁を1匹の虫が歩いていました。
それはまるでアリジゴクのような姿をしていました。1cm弱の大きさで、芋虫のように細かいくびれ(?)が輪っかのように連なっています。体は柔らかそうで形は芋虫ほど胴長ではありませんでした。どちらかというと菱形という感じで体の側編中央が広がっていました。
なにより目を惹いたのが口から延びる大きく長い牙(大顎)でした。そのためアリジゴク、またはカゲロウの仲間だろうと考えたのでした。

さて、この虫はなぜここにいるのか?
このケースにはスズメバチの巣以外は何も入っていないはず。とすれば、やはりスズメバチの巣から出てきたものと考えて良さそうです。
それは期待していた『寄生』によるものなのか、それともほとんど住人のいなくなったハチの巣に越冬場所を求めてたまたま入り込んだ虫なのか?
トンボやカゲロウの仲間で寄生生活をするものなんているのかなぁ?

 目の前に延々と連なる車のヘッドランプを見ながら冷え込む夜道を走ります。

よくよく考えてみると甲虫ばかり追っていますがその幼虫の事はほとんど知らない事に気づくのでした。甲虫の幼虫といえばコガネムシ科のような白くてイモイモしているイメージがありますが、ハムシやテントウムシのようにグロテスクなものもいますし、コメツキやゴミダマのように褐色で細長いのもいますね。
甲虫図鑑を頻繁に眺めているおかげで成虫たちの姿はだいたいイメージしているつもりですが
、それらの幼虫がどんな姿をしているのか、ほとんど知りません。
もしかしたらこのアリジゴクのような幼虫も甲虫の何かなのかもなぁ・・・。
ただ、何の仲間なのかもわからないと「飼う」というわけにもいかないし、柔らかそうで乾燥標本にしてもクシャクシャになりそう。液浸してまで残すかどうか・・・。

そうそう、幼虫の形態の事を考えていたときに思ったこと。甲虫図鑑にはそれぞれ近しい科の順に掲載されているそうですが、2巻のコガネムシ科と4巻のゾウムシ科、それらの幼虫が似ていると思えるのが不思議です。あの白い芋虫。その間には3巻のテントウムシや4巻のハムシなど全く形の違うグループが挟まっていたりするのに。いやいや似ていると思うのは外見だけなのだろうか。

 久御山まで帰って来ると幹線道路沿いの気温は4℃だった。とうとう冬本番なようで今日一日すこぶる寒かった。そろそろパッチ(モモヒキ)を出さないと外で活動できないです。
明日はより一層冷え込むようで明朝の予想最低気温がとうとう-1℃となっています。寒いのやだなあ・・・。

家に着くなり駆け込むように玄関に飛び込んだのでした。

件の幼虫、なかなかかっこ良かったのでこの記事に載せようと写真を撮っておきました。しかし昨晩にうっかり削除してしまいました。
しょうがないな、ともう一度撮り直そうと覗きにいくと・・・

あれっ!? あれれ〜?
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チャック袋に容れていたのですが幼虫の姿がありません。
目にしたのは白いお団子のような繭一つ。

蛹化したようです。綿飴のような白い糸でくるまれていて、中の虫がかすかに黒く見えていました。

さすがに甲虫じゃ繭はないよな。でもカゲロウって繭つくるかぁ〜?
なんだかよくわからなくなってきました。しかしこれなら無事越冬してくれそうなので、春には正体もわかるかもしれません。






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by aile21 | 2010-12-15 23:58 | とうちゃん

シモフリスズメの幼虫

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 我が家のオリーブに芋虫がついていました。
シモフリスズメの幼虫です。どうも我が家の辺りには縁があるようで幾度か目にしています。
しかしオリーブにつくとは・・・。
巨大な終齢幼虫が5匹もついていてずいぶん食い荒らされてしまいました。
駆除するか、どこかに移動させるか悩むところ。

結局そのままにしていていつのまにかいなくなっている事になりそうだけど。
(蛹化は土の中なので観察までできそうにありません。)
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by aile21 | 2009-09-03 23:09 | とうちゃん

冷え込み

 
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 今朝はずいぶん冷え込みました。この秋一番なんていわれていましたが、あれはもう冬ですね。
日中仕事で車を走らせていたら、京都市の北に連なる山々が白くなっていることに気がつきました。
 「あ〜・・・、やっぱり降ったんだ。」

 最近は虫採りお休み中。っていうか余裕がないのですう。
まあ、ここ数年びっちりやってきたからたまにはいいかな。(と、自分をなぐさめてみる)冬眠とまではいかないけどゆるゆるとやっていきましょ。


 宇治川沿いに走っていたらちょっと息抜きにふらっと寄ってみたくなりました。向こうに見える山にも赤い木々がちらほら。

 小さいエノキの木がコンクリート護岸の間にひっそりと生えていました。

 「ゴマダラの幼虫でもいないかな・・・」と寒風が吹き付ける梢に目を配っていくと、
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・・・・こればっかり。そこもかしこも。orz

・・・・この冬はセイボウ狙いでこいつらの繭でも集めてみるかな、などと考えてみるもはてさて。

 明日はまた一段と寒くなりそう。
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by aile21 | 2007-11-19 21:53 | とうちゃん

はあ〜、すっぽん!!

 グズグズしていたらあっという間に昼過ぎになってしまいました。それでも一日中家の中ではもったいない。今日はのんびりモードでふらふらと出かけました。

 午後2時を過ぎていたのであまり気合いの入った採集はできません。そこで去年たくさん見つけておもしろかったジャコウアゲハの蛹を見に行こうと、ちびと河川敷を散歩してきました。台風一過の晴天は日差しがきついものの、現地についてみれば太陽も斜めに差し込んでいます。秋の午後はあっというまに夕方になってしまいます。

 目星をつけていたポイントを探してみても一向にジャコウアゲハの蛹が見つかりません。
 「あれ〜?? おかしいなあ・・・。」見つかるのは抜け殻とクモに襲われてクモの巣まみれになった残骸ばかり。時期やポイントに問題はないはず。気になるのはあたりの土手の下草がきれいに刈られてることくらいかな。今年はなにかの歯車がずれてしまったようです。残念・・・。


e0083097_19281969.jpg もう今日の目的は済んだので「さて、どうしようか・・・」
土手の下に降りてなにげに干上がりかけたた水路を見ていた時です。泥の溜まった底に丸く穴が掘られていてなにやら中で蠢いています。ザリガニか、はたまた水路に取り残された魚でも暴れているのか・・・。
 「カメ?」ちびに言われて「あ〜、カメかもね。」勝手に繁殖しているミドリガメならそこら中にいます。

 ボーっと眺めながら「もう少しジャコウ探すかな・・・」なんて考えていた時です。

 ??・・・

 !?

 !!!

 「お父さん車戻って網取ってくるわ!」

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 カメはカメでもスッポンでした〜。年に一回くらいはどこかで見かけるけれど、なかなか真近で観察するチャンスがありませんでした。スッポンは昔から憧れていたのです。


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 ぶたっ鼻がかわいいし、首もとの模様がかっこいい!!
はじめは怖々だったちび宇治虫も予想通りスッポンに魅せられてしまいました。噛み付かれないように後ろからしっかり掴んでからは、ずいぶん長いこと観察してました。

 スッポンを逃がした後はまた土手沿いをフラフラ。
「なんだか白い蝶がたくさん飛んでるなあ。」
「モンシロチョウやろ?」
「え〜??、モンシロチョウって秋かあ?それにでかくないか?」
「・・・白い蛾かも。」
 ・・・・・・・・結局、モンシロチョウのようでした。なんだか春のイメージがあるけど秋にもでるんだ・・・。


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 エノキの落ち葉にはゴマダラチョウ(?)の幼虫がぴったり張り付いてました。2〜3年前に見つけた時は落ち葉にくっついていて完全に茶色くなっていました。今頃はまだ緑色なんですね。かわいいツノをしています。
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冬になったらまた探してみよう。

 今日はそんな午後でした。
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by aile21 | 2007-10-28 20:21 | とうちゃん

奇跡の生存者

 本日午後、部屋の中でなにやら、「ブブブ・・・、ブブブ・・・。」と羽音が聞こえました。

 ハエでもいるのかな?・・・・、と思いながらも気になるので羽音の元を探してみました。もしかして・・・、の期待が膨らんでゆきます。

いた〜っ!!

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 ガラス窓の内側で外に向かって体当たりしながら飛んでいました。何度もドロバチの写真をネットで見ていたのですぐにピンッときました。
 生き残りがいたんだ〜。

 全滅したとばかり思っていました。心なしかしっとりとしていた土塊を乾かす意味で部屋の中にほったらかしにしていたのです。
その土塊を見てみれば・・・、
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 穴が二つ開いてます。どうやら内部にあと二つの繭があったようです。
・・・・もう一匹はいずこに?

 やっぱりほったらかしがいいようです。

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 調べてみると、やはりスズバチでした。
ホントに食べ物が通っているのか?というくらい腰がくびれています。うん、これもなかなかかっこいいです。
 結局、7匹中1匹がムモンオオハナノミにやられ、4匹が羽化途中に死んでしまい(私が悪いのだけど)、そして2匹が無事羽化まで辿り着きました。

 紆余曲折ありましたが、なんとかスズバチも出て一件落着かな。一安心しました。

でもなあ〜〜・・・。スズバチだったんならやはりオオセイボウも可能性はあったんだなあ。来年も来年も試してみよう。
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by aile21 | 2007-06-09 22:16 | とうちゃん

黒い悪魔

 1月28日に越冬中の甲虫を探そうとよく行く河川敷をちび宇治虫と散策していました。(日記は1/29の更新になってます。)
寒いながらもそれなりに小さな甲虫達が採れて満足しての帰り道。ふと目に入った異形のモノ。それは川べりに生えている一本のクワの枝に付いていました。
 「なんだこれ?」と恐る恐る近づいてみれば、長さ8センチくらいの少し楕円な泥の塊。蛾かハチの巣だな・・・と思いながらついバキッと枝から剥がしてみると、なんとも綺麗なレモン色の幼虫が入っていました。
 「おお!! すげ〜!!」と顔を見合わせてみたもののこの寒空に放置していくわけにもいかず、持ち帰ったのでした。

 去年の今頃、コンボウアメバチを羽化させた事があります。なかなか美しいフォルムをしていて気にいった覚えがあります。せっかくだから今年はこいつを・・・、と思い観察を続けてきました。

e0083097_185677.jpg これがその土塊です。泥というよりはなにやらセメントのような質感と重量です。固く締まっていてなかなかくずれません。
e0083097_1874085.jpg クワの枝から引き剥がした勢いで、繭の一部が裂けててしまったようです。そこから覗けばこのような綺麗な幼虫が静かにねむっていました。
 枝との接着面からみれば繭は計5個あります。中の様子が見えるのが2個です。

 ところが、もう一つの繭の中の幼虫は少し色がくすんでいます。なんだかハリもないし。どうやら死んでいるようだ・・・。そうは思いながらもそっとしておきました。本当に死んでいるなら、朽ちていくだろうと思って・・・。

 ちょうど土塊がすっぽり入る大きさのタッパーに容れて保管してきたのです。

そして2月、3月、4月と過ぎていきました。その間、思い出したように時々は覗いてみたりしてもなにも変わらず、幼虫たちはそこに眠っていました。

 あの「死んだ」と思われた幼虫も腐るわけでもなく、そのままの状態で繭の中に横たわっていたのです・・・。

 ・・・・・・

 ・・・・・
 
 ・・・

e0083097_189586.jpg (4月10日)

 暖かくなり桜も終わろうかという頃、久しぶりに例の「土塊」を覗いてみました。

 !?・・・・・・???

 幼虫からまた幼虫がでてる・・・。


少しの間、なにがなんだかわからなくなりました。やがて冷静に考えてハッとしたのです。あの「死んだ」と思われていた幼虫は「なにか」に寄生されていたのだと気づいたのです。一体なにが・・・?。


e0083097_1810528.jpg 5月3日)

 寄主をほとんど食べ尽くしたパラサイトはどんどん肥大していきます。汁一滴残さないくらいの食べっぷりです。

 ほとんど食べつくしたようです。なんだか変な液体にまみれていてなんだかよくわかりません。

e0083097_18115741.jpg かたや健全な幼虫はというと何も知らないかのように相変わらず静かに寝ています。


 正体不明の虫がなんなのか・・・。
このころにあれこれと考えてみた。土塊はおそらくドロバチもしくはその仲間で間違いないようだ。いくつか検索してみると気になる記述をみつけた。
泥で巣を作るハチでスズバチがいる。その可能性もあると・・・。そうなってくるとにわかに心がざわついてくる。スズバチに寄生となると・・・、オオセイボウかっ!?
これは俄然楽しみになってきた。

e0083097_18154391.jpg (5月6日)

 いつのまにか蛹になっていました。ほんの数時間前まではまだ幼虫だったのに。この前蛹から蛹になる瞬間っていつも見逃してしまう。

e0083097_1816508.jpg (5月11日)

 この頃は、ずいぶん蛹も安定しているようだ。容器の蓋を開けて明かりの近くに持っていくと、必ず2回、クネクネと体を捩ってみせてくれる。

 それでも、「ずいぶん頭の小さなハチだなあ〜?」と呑気に考えていた。本気で「ハチに寄生した別のハチだと思いこんでいました。
カミキリの材箱からさんざん寄生ハチが出てきていたので「寄生=ハチ」の図式が頭に出来上がっていました。

e0083097_18173475.jpg (5月17日)

 そろそろ色づいてきました。頭が赤くなっています。
[#IMAGE|e0083097_1818517.jpg (5月18日)

 羽化間近のようです。アカハネムシの蛹も黒くなってからはあっという間だった。そろそろだな。
 ・・・・・・・・でも、黒いなあ。緑っぽくならないのかなあ。オオセボウじゃないのかなあ。(←まだ言ってる)



e0083097_18201685.jpg そしてこれまたほんの2時間ほど目をはなした隙に羽化を始めたようです。
「もうすぐ羽化しそうだよ。」とちび宇治虫を呼んでみた。

「おお〜!!ホントだ。・・・・・・・・・・・・・・・・、
でもな、・・・・・・う〜ん、僕は甲虫だと思う。

「えっ・・・!? 甲虫?? ああ〜〜・・・・・・、なるほど・・・。
そうか・・・・、うん、言われてみれば・・・・。」
ちょっとおかしいなと感じながらもまだハチだと思っていた。頭の固い父親だ。よくよく見れば、透明な鞘羽があるじゃないか。

「一体何の甲虫だ?」

「う〜ん・・・・、ハナノミ? ハナノミっぽく見える・・・。」

たしかに頭がグラグラしていそうなところはオオハナノミっぽい。
 

e0083097_18225112.jpg (5月19日)

 ほぼ一日経って、ずいぶん色がおちついてきました。
でもまだお腹がボッテリ。
e0083097_1827485.jpg (5月20日)

 体はほとんど真っ黒に染まりました。しかしお腹はボッテリのまま。

 すぐにスリムになると考えていたのに、意外にもなかなか縮まらず、完全な成虫になるのはいつなんだ?とヤキモキさせられました。


e0083097_18235675.jpg (5月22日)

 いつ見ても繭の中でジッとしている。なかなかスリムにならないお腹に業を煮やして、「ちょっと写真を撮らせてくれよ」と追い立ててみる。すると慌てて飛び出し、土塊上をグルグルと回りはじめた。その時に口からなにやら白い液体を吐き出しながら逃げまわっている。
 なんだろう?以前、アゲハチョウの羽化を観察した時に飛び立ったあとの蛹の抜け殻におしっこのようなものが溜まっていた。体を軽くするための排泄だとか。
それを口から出しているのか?こころなしか、お腹が縮んできたような気がする。


e0083097_18243625.jpg (5月23日)

 そして、今日やっと真っ黒な完全体(?)になりました。
お疲れ〜。


 ムモンオオハナノミ Macrosiagon nasutum

 オオハナノミ科に属する虫たちは大量の卵を産み、花上などで寄主となるハチなどに取り憑き、過変態をしながら成虫になるという。ハナノミという名前を持ちながら、生態的にはツチハンミョウに近いところがあるらしい。
 生態についてはちょうど同時期にaclerisさんがいもむしうんちは雨の音のなかで紹介されています。(私より詳しいですよ。)

 その生態の一部を経過観察できたのは幸運でした。いつもカミキリ幼虫が寄生蜂にやられていた訳だけれども、今回はハチに甲虫が寄生していたのだから立場が逆転ですね。(ちょっと違うか?)
 ハチの巣からオオハナノミが出たり、ヤママユガの繭からコンボウアメバチがでたり・・・。虫の世界って不思議。そこがまた楽しいです。


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 鉄仮面のような、能面のような・・・、不気味な表情を持つこの黒い顔が怪しさを引き立てています。後頭部の雰囲気とかはエイリアンのようだ!と書きたかったけれど、aclerisさんに先を越されてしまってちょっと悔しい思いをしています。(笑)
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by aile21 | 2007-05-24 03:51 | とうちゃん

春ッッ!

明日からとうちゃんが出張に行っちゃうので、定点に行きました。
今日は、ヒメクロオトシブミが大量発生!3匹で交尾してるのまでいました。
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桜の花びらはもう散りぎみでした。でも降ってくる桜もきれいですねぇ。
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桜は満開より、少々散りぎみの方が好きだな。

前回の蛹に色が付いてきました。
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やっぱりキマワリとかクチキムシかなぁ?
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by aile21 | 2007-04-10 20:45 | ちび宇治虫

あぁ・・・うっかり・・・

かなり前に採ったエグリゴミムシダマシがまだ生きてたので冷凍庫に入れると、容器を出した時に、あ!しもた〜〜〜〜〜!!拾ってきたハイイロチョッキリの幼虫が入っていそうなドングリが、容器に一緒に入ってたんだ!!
まぁ幼虫が入ってなかったら悲しむことないからね♪
というわけで割ってみたら・・・
e0083097_222713100.jpg

あぁ・・・入ってた・・・あーあ、ぜんぜんドングリのゾウムシを羽化させることができない・・・
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by aile21 | 2006-12-18 22:38 | ちび宇治虫


京都南部の野山で宇治虫親子が発見した生き物の記録  出演 とうちゃん(aile21)・かあちゃん・ちび宇治虫(showzine)


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