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砂浜とカレーライス

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砂浜とカレーライス_e0083097_22382417.jpg

 今週は千葉県に出張中。日中は船橋にいる事が多いです。船橋中央埠頭の先には三番瀬という干潟があります。あたりは京葉工業地帯で巨大な工場や倉庫群がコンクリートの埋立地に林立していますが、ここだけ自然が残された感じ。今までタイミングをはかっていましたが今日の昼休みにコンビニ弁当を持って行ってきました。

 ポカポカと長閑な陽気の中、砂浜に腰を降ろしての昼食です。ちょうど潮が引いた時間帯だったようで潮干狩りをしている人達もちらほら。
「せっかくだから何か採りたいなぁ。」と思い(いやいや、ハナからそのつもりでしたけど)、浜辺に打ち上げられている海藻をひっくり返してみました。磯の匂いと泥の匂いが混ざり合った独特な匂いが立ち込めます。無数のハエが元気に飛び回り、ヨコエビがピョンピョン跳ね上がります。
やがて、2種のハネカクシを確保できました。普段海に縁遠い生活だし、一目見て初めてのハネカクシとわかりました。もちろん京都に帰ってみないと同定にはこぎつけませんが、出張記念なら十分かな。

 打ち上げられている堆積物を見ていると、様々な鳥の羽が落ちている事に気がつきました。時間に余裕のあるときならかなりの量を集められそうです。タイミングの悪さをヒシヒシと感じました。

 コンビニで買った弁当はカレーライスです。付属の先割れスプーンが思いのほか重宝しました。海藻をひっくり返すのによく、見つけたハネカクシを砂ごと掬うのにも便利でした。
我ながら上手いことやってるなぁ、と悦に入っていたらやがてポキッと折れてしまいましたけど。強度が足りませんね。食べ終わった後のプラスチックの白いカレー皿。これは掬った虫を選別するのに良さそうでしたが、さすがにそこまでどっぷり採集に夢中になる時間は取れないのが現実でした。

 その後、海藻下から3mmほどの丸い甲虫を発見。胸は黒く、エリトラは薄い褐色です。初めは何のグループかわかりませんでしたが、2匹目を見つけた時にはどうやらガムシである事がわかりました。これもまた初めての虫だし、真っ黒ではないので同定にこぎつけそうな予感がするので喜んで持ち帰る事にしました。

 正味30分くらいの採集でしたが暖かい日差しのもと、良い時間を過ごせました。帰りに砂浜上部の芝地に未練を感じましたが、流石に篩までは無理と思い、仕事に戻りました。

(百均でザル…、売ってるけどなぁ。)
# by aile21 | 2010-03-18 22:38 | 関東編

シーズン終了

シーズン終了_e0083097_19125033.jpg
 今日は少し早めに仕事が終了したので、拾っておいた鳥の羽を仕掛けに行ってきました。すでに夕方でしたが日没が随分遅くなったので静かな山の雰囲気を楽しんできました。

 皆伐に近い状態の宇治川河川敷。それでもわずかに残されたヤナギが新芽を色づかせています。いつのまにか桜のつぼみもプックリと膨らんでいるのを見ると、
「ああ、もう春だなぁ・・・・」と実感します。

冬の昆虫採集はシーズン終了ですね。

 さて、明日から久しぶりに関東出張に行ってきます。
帰って来たらすでに春一色になっているのかな。
# by aile21 | 2010-03-13 19:22 | とうちゃん

OH! ミニマム

 なんだか寒い。明日の京都南部は雪マークがついている。
三寒四温とはいうけれど、気温の変化が極端でまいります。

 土日は雨模様だったので、虫の整理をしてました。そこで今日御紹介するのはミニマムな甲虫たち。
前回の落ち葉篩い採集、そのネタでまだ引っぱります。(爆
今までも極小な虫を採っては面白かったり、苦労したりしましたが、今回はまた随分と小さな虫が採れました。
一番多いのはハネカクシです。セスジハネカクシの仲間でヒメクロセスジかチビクロセスジだとは思いますがよくわかりません。てんこ盛りで採れますが今日は割愛。

OH! ミニマム_e0083097_22272211.jpg
ハネカクシの次に「数」で優勢だったのがムクゲキノコムシ。
ムナビロムクゲキノコムシ(だと思う)
そもそも保育社の図鑑ではムクゲキノコムシ科は全部「絵」で紹介されているのでなんだかしっくりしません。このムクゲキノコ、やはりたくさん採れますが、面白いのは写真の個体。
上翅の下から鳥の羽のようなものがはみ出しています。これがムクゲキノコムシの羽根なんですね。
この羽根でタンポポの種のように風に乗って分布を広げるのでしょうか。まさかこの羽根で羽ばたくというのはなさそうですが、もしそうなら甲虫に対するイメージが変わります。
風に乗って移動するなら、自分から場所を選べないので大変です。
ところで「ムクゲ」って「小さい」っていう意味で使われているのかな。それともこの特異な羽根の事?
小さな甲虫ではたまに見かける名前です。
大きさは1mmちょっと。(左のメモリはプラスチックの定規。黒線2本の間が1mm。)

OH! ミニマム_e0083097_22391492.jpg ムナビロコケムシ

 1月の終わりに採ったシリブトヒメコケムシより若干小さいコケムシ。
これ約1mm。コケムシ科は形態的に似たようなのが多いけれど、これはわかりやすい特徴のコケムシです。
とはいえ、他に多数の未記録種があるそうなので同定の確定は難しいのも事実でしょう。

OH! ミニマム_e0083097_225014100.jpg そして今回自分が一番目を惹いたのがこの虫。

ニホンムクゲキノコムシ(あたりじゃないかなぁ・・・)

またムクゲキノコムシ科。
やはりイラストの図説ではよくわかりません。しかしこの個体はとうとう1mmを下回ってしまいました。ヒェ〜!!
もう肉眼ではゴミにしか見えません。老眼進行中の目ではもう、どっちが頭なのかお尻なのかも皆目わかりません。おそらく我が家の標本の中で最小のものになるでしょう。くしゃみどころか鼻息さえもあてられません。一度見失うと二度とお目にかかれないでしょうね。大事にしようっと。

ちなみに過去の標本の中ではスジツヤチビハネカクシが一番小さかった模様。それでも1mmは越えてましたね〜。

おまけ

OH! ミニマム_e0083097_236345.jpg アバタコバネハネカクシと思われるハネカクシが一つ混じっていましたが、上肢が黄色です。

なんだろう? 初めてみるなあ・・・、と思いました。一瞥した時には「なんかよさげなハネカクシが採れたかも。」と少し期待しましたが、アバタコバネのテネラル(羽化直後)なのかもしれません。
採集地が宇治なので「京都亜種」 kyotensis ITO かもしれません。

「かもしれません」ばかり。

こんなものです。(笑

マージンヤさんに教えていただきました。Astenus porosus (Sharp, 1889) という和名未定のハネカクシでした。
マージンヤさんありがとうございました。


OH! ミニマム_e0083097_23151590.jpg コヤマヒゲブトアリヅカムシ
コヤマトヒゲブトハネカクシ(かもしれません)

図鑑の絵柄的にはこれですが、どうせ亜種とか、未記載種とかいろいろあるんだろうなあ。
同定は確定できませ〜ん。

今回のネタは保育社の原色日本甲虫図鑑の2巻に載っている虫ばかり。
春から秋までのシーズン中は3巻にお世話になる事がおおいのですが、冬の落ち葉篩いをするとハネカクシを筆頭に2巻の虫が多勢を占めるのが実に面白いところです。

このての虫と遊んでいるのもあとちょっと。
春の虫に出会えるのも間近ですね。
# by aile21 | 2010-03-08 23:26 | とうちゃん

ホソキバナガゴミムシ

 日頃から「黒いゴミムシは苦手」と公言して憚らない身ですが、先日落ち葉篩い採集で持ち帰った土の中から目を惹くゴミムシを見つけました。
ホソキバナガゴミムシ_e0083097_2342415.jpg
ホソキバナガゴミムシ
Stomis japonicus STRANEO


 これだけ長く伸びた牙はゴミムシで初めてです。「おおっ!!」と声を上げてしまいました。かっこいいですね〜。

和名に「ナガ・・・」と付いているのでプテロの1種かと思いましたが、別属のようです。
ということは「ホソキバ・ナガゴミムシ」ではなく、
「ホソ・キバナガ・ゴミムシ」ということか。
なにはともあれこういう「黒いゴミムシ」なら大歓迎です。
ホソキバナガゴミムシ_e0083097_23163939.jpg
マイマイカブリをも連想させる大きな牙。カッコいいです。

それにしても、よく篩の目を通ったなぁ。
# by aile21 | 2010-03-05 23:20 | とうちゃん

崖っぷち

 暖かい日の続いた2月でしたが3月になってやっと肌寒い日が戻ってきました。
5月並みの陽気なんて厄介ですから少しホッとしています。
崖っぷち_e0083097_11131971.jpg
 昨日(3/3)は以前から気になっていたカゴノキの材拾いに行ってきました。

カゴノキのポイントへ向かっていると道を遮る倒木がありました。昨今流行りのホソカタムシに誘惑されてみようと浮いた樹皮をペリペリと剥いてみます。
崖っぷち_e0083097_1120035.jpg
ヒメヒラタムシ

う〜ん・・・。

まあいいか。既採集だけどうちの標本はボロボロだし標本も更新だ。

それにしてもホソカタムシって意外と見つからない。他の虫屋さんは苦もなく見つけているようだけれど、我が家は過去にツヤナガヒラタホソカタムシを一つだけ。樹皮捲りなんてずいぶんやってきたのになあ・・・。
 市街地の並木とは違い、宇治の山では少ないケヤキ。ここにはまとまって生えているようなのでこれも楽しみです。
ところが捲っても捲ってもまったく虫が姿を現しません。チビタマ一つ見つかりません。
おかしいなあ。

崖っぷち_e0083097_11264657.jpg
目にするものといえば蟻、アリ、あり・・・・・・。
先週の陽気で皆飛び立ってしまったのか?

やっと見つけたのがヨツボシオオキスイ。
夏の樹液で普通に見つける常連さんですが成虫越冬とは知りませんでした。
常に「近似種のムナビロオオキスイかも?」と確認するようにしていますがなかなかムナビロに化ける事はありません。

今回も越冬写真を撮ったら手に取って確認しようと思いました。

・・・・・

・・・はい、そうです。ポロッと落ちていきました。
寒いから動かないと思っていたのにぃ〜〜〜!

崖っぷち_e0083097_11404426.jpg 次に見つけたのがリュイスアシナガオトシブミ。
真っ赤な姿が寒空に映えます。これも地元で見つけたのは初めて。

こんなオトシブミも成虫越冬なんだぁ。
今度こそ! と下に手をあてがい写真を撮りました。
カメラをしまって、片手でチャック袋を用意していると、受けにしていた手にあたる僅かなコツンという感触。
・・・・ああ、また落ちていったぁ。リュイスアシナガオトシブミは手に当たり、バウンドして何処かへ。
あかんなぁ。もう写真より採るのが先だ。
ほどなくもう1匹みつけたのでホッとしました。

崖っぷち_e0083097_11525375.jpg 寄り道ばかりしていられません。カゴノキに着きました。
まずどうしようか。
部分枯れをチェックしようと思いましたが、そのまま手の届く範囲には手頃な部位が見当たりません。
むむむ。それならと木登りです。

このカゴノキ、急な斜面に生えていてじつはとっても怖い状況です。ほぼ崖。このまま落ちたら・・・ゾゾゾッ。
しかし枝振りがちょうど良く足がかりも良好なのでスイスイのぼれました。樹上で枯れた枝をポキポキと折って中を確認していきます。しかしなかなかカミキリの食痕が出てきません。ほかの広葉樹だと何かしらのサインがあるんだけど。
やっと細い坑道を見つけたと思ったら案の定アリの巣になっていました。細い木の枝を折ると、モリモリモリと中から黒いアリが沸き出してきます。

ての届く範囲で取れる枯れ枝はだいたい折ってみましたが結局アリだらけ。
仕方なく落ち枝を拾おうと地面に下りました。しかし崖の斜面なので拾い放題というわけにはいきません。
カゴノキは樹皮が赤紫色でツルツルしているので他の木枝との判別はさほど苦労しませんでした。なかなかこれといった獲物に出会えませんでしたが、やっと一つだけカミキリの幼虫入りの枝を見つけました。

う〜んなんとかってところかな。やはり厳しいか。
しかもこの幼虫、ちょっと大きいんだよなあ。細くて華奢なのを期待してたんだけどなあ。
崖っぷち_e0083097_12283554.jpg
 どんなカミキリに化けるのかかなり不安な唯一のカゴノキ材。1本だけというのがなんとも心もとない。

冬の採集では保険のために落ち葉篩をちょっとやって帰ります。
落ち葉を篩っていると辺りに散乱している鳥の羽を見つけました。

崖っぷち_e0083097_12421431.jpg
 ニヤリ。
今度はこれを仕掛けに行こう。
# by aile21 | 2010-03-04 12:44 | とうちゃん


京都南部の野山で宇治虫親子が発見した生き物の記録  出演 とうちゃん(aile21)・かあちゃん・ちび宇治虫(showzine)


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